シャンプーの主成分として界面活性剤、修復基剤PPT(流出防止剤)、香料が含まれています。
*修復基剤とありますが髪の毛は死滅細胞ですので修復というよりはダメージの部分に一時的にひっついていると考えてください。
この3つの成分が商品料金を左右します。
シャンプーは1日の汚れをおとす為のものです。
汚れとは、電気的な吸着によるホコリなどと、
油汚れ(皮脂・空気中の脂質・ワックス等)があり、
電気的な汚れは水洗いで8割〜9割は取り除く事ができます。
でも油汚れはすすぎでは流す事が出来ず、油と水を仲良くさせてあげる界面活性剤の手助けが必要となります。
ここで髪の毛の成分の話ですが、
髪の毛はキューティクルで覆われて、髪の毛を保護する役目と内部のタンパク質が流出させない役目をしています。
キューティクルは普通3〜5枚程度重なり合いその間にCMCという油分を約60%含んだ成分が接着剤の役目を果たしています。
健康な髪の毛は油分が好きで、油分によって保護されています。
でもシャンプーにより毛穴に詰まる皮脂や髪に着いているワックスなどスタイリング剤を落とさなくては気持ちが悪いですね!
そうなんです、地肌やスタイリング剤を流すには界面活性剤の力を借りて水と油を乳化させなければ脂分は流せないのです。
シャンプーが傷むという原因は、相反する事をシャンプー剤に求めなくてはいけないのでシャンプー剤選びは難しいという事になるのです。
シャンプーをすると油を洗い流してくれるのですが、キューティクルの間にあるキューティクルCMCの油分も分解し、キューティクルを痛めてしまう事になるのです。
キューティクルが痛むと内部のタンパク質が流出しやすくなり、パーマがうまくかからなかったり、カラーの色持ちが悪いという要因につながってきます。
ではどんなシャンプーが良いか?
高ければ良いという訳ではないのですが、安く消費者に提供する為には原材料が安くないともちろん提供できません。
最初に書いた主成分「界面活性剤、修復基剤(流出防止剤)、香料」がシャンプー剤の大半のコストを決めています。
高いシャンプーはもちろん「界面活性剤、修復基剤(流出防止剤)、香料」も高価でこだわったものを使用しているので
お値段があがります。
安いシャンプーは3つともにこだわれないので何かを犠牲にしてしまいます。
ドラッグストアで販売されている商品のメーカーが重視するのはいかに安価で作れて大量に販売できるか、またクレームが少ない商品を提供するかがお仕事です。
クレームが出る原因として、安い界面活性剤を使用すると頭皮にカユミや刺激がでます。なので安価な界面活性剤の使用は避ける傾向にあります。
匂い(香料)も商品のイメージに左右されるところなのであまり安価なものを使用できません。
修復基剤(流出防止剤)は高価な割にシリコーンと比べて手触りなどの質感に出てこない部分なので安くシャンプーを作るためには比較的リーズナブルなシリコーンが選択されることが多いのです。
*けっしてシリコーンは悪いものではありません!
お客様お一人お一人にとって良いシャンプーとは何でしょうか?
答えはお一人お一人によって違います。また年齢を重ねることにより以前使用しているシャンプーでも合わなくなる事もあります。
よ~く考えてみて下さい。シャンプーは汚れを落とすための手段であって手触りや質感を戻すためのものではありません。
サロンで販売しているシャンプーは『傷ませないように洗いあげる』かがポイントです。
ドラックストアで販売している安価なシャンプーは『傷みをかくすように洗いあげる』がポイントです。
最近パブリック商品でもノンシリコーンシャンプーが少し出てきていてシリコーンが害であるというイメージがありますが、今やその考え方も10年前の話です。
使用方法を間違える事がダメだという事を覚えておいて下さい。
シャンプー剤の中にシリコーンが大量に入っていると質感は良くなり痛んでないように感じます。が・・・
油を分解する要因として乳化現象というものがあり、油は油を落としてしまう事になります。
髪の毛を保護しているキューティクルCMCには油が必要なのです。
もちろんパーマやカラーでもキューティクルCMCを損傷させます。でも毎日カラーはしませんよね?
カラーやパーマでダメージを受けるのは、毎月カラーをされる方でも年間で12回すが、
日々シャンプーをするということは365日少しづつ髪の毛に負担をかけているという事も事実です。
髪の毛は切っても伸びるものなので
カットすれば毛先のダメージは取り除く事ができます。
高級なシャンプーを選ぶのが正しい訳ではなく、安くて自分にあったものを探す基準として手触りやツヤで判断するというのも大事ですが、泡立ちの良さや必要な油分を残すシャンプを選んでキューティクルどうしの摩擦を減らし適度な油分を残すという考え方も頭の片隅に置かれてシャンプーを選ばれてみてはと思います。
ヘアスタイルでおしゃれを楽しみたいと思われるのであれば、手触りが良くなる事も重要だと思いますが、髪の毛を傷めせない事とケアをしていくという事がもっと重要だと思いませんか?
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